

日本には、昔小さな島があった。
それはそれは小さな小国で、戦国時代に沈んでしまった忘れられた島。
これは……そこで住んでいた人の短くとも、でも忘れえぬ記憶のお話。
主人公は、今年の春で高校一年になった。
受験と言う特別なイベントが終わり、楽しみにしていた学園生活が幕を開ける。
日々はやがて何時もの日常へ……。
しかしそれは少しずつ変わっていく。
時折起こる頭の痛み。
五度目にソレが起こったとき、主人公の運命の幕はあがったのだった。
突然襲った、今までに無い激しい頭の痛みに、主人公はその場に倒れこむ。
その時、誰かの声が聞こえた気がしたが、既に主人公には誰かを確かめるような感覚すら無く。
ただ、たゆう様な、意識の波に沈んでいった。
次に目を開けたとき、主人公は、自分では無く、『自分であるもの』になっていた。
それは自身も気がつかないほどの鮮明な夢。
前世の夢……。
現か幻か……真実なのか。
主人公は自身の前の生を追体験する事となった。
時折目覚める時に見える影。
そして前の生で起こった出来事。
完全なる目醒めが訪れた時。
主人公は何を知り、何を思うのか……。
それとも夢は夢と幻の様に消え去ってしまうのか。
それは自身で決めるもの。
すべては自分で掴み得るものなのだから。
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